本を作るまで vol.2

自転車を走らせる。
街路樹の葉はすっかり落ちて、アスファルトの上をカラカラと舞っている。

今日は那波紙店に向かう。
ここは秋田市にある和紙を中心に取り扱う紙屋さん。紙屋さん。素敵な響きだ。

今回の本は手製本で製作しようと決めた。
「手製本 方法」
で検索して出てきた方法を上から順に試していき、これでいこうというものが見つかった。
便利な時代だ、なんてありきたりなことを思う。

那波紙店に到着。
ここには以前も来たことがある。
初めてはあの人新聞のフライヤーを作った時、その次は中学生まで通っていた習字塾の先生からまた書いてほしいと手紙が来て、その日のうちに習字セットを買いに来た時。

今日は、骨組みになる厚紙とそれに貼り付ける一番外側の紙を探す。
色は白、かつ温かみもあるもの。あとは手触りとか、厚みも大事だ。
紙ってこんなに考えることがあるのか。

半ば途方に暮れつつ、ようやくこれが良いというものを見つけた。
大きいサイズなので定員さんを呼び、取ってもらう。

「こちらは折らない方が良いですか?」

あ、そうだった、自転車で来たんだ。

「自転車で来たので、折らないで運べると…」

 

「じゃあ、丸めて包みましょうね」

僕が選んだ紙は大きなテーブルにするりと移動し、定員さんの手で丁寧に丸められていく。
パンをこねるような、ケーキを焼くような、赤子の手を握るような。

紙を受け取り店を出る。
さっきよりも寒かったが、ペダルを漕ぐリズムは早い。

ふふ、これで準備は万端だな。

この数日後に職場で大量の紙サンプルを目にすることを、この時の僕はまだ知らない。