散文 9/10 2:59

明後日(日付が変わっているので正確には明日)の予定を考えていたら、眠れなくなってしまった。
音楽を聴く、本を読む、とりあえず目を瞑って妄想の世界に行く。あれこれ試行錯誤をするが、一度眠れないモードに入ってしまうと、どれも大した効果はなく、時間だけが過ぎていく。

この文を書いている今も、昼間よりも深く刻まれた奥二重で、画面に打ち込まれる文字を見ている。
普段だったら、予定を立てるなんてことをしないし、そもそも未来のことを考えて不安になることも無い。「未来は確定できるものではないので、考えるだけムダ」という大胆な指針に従って生きている。
ではなぜ、今回に限って眠れなくなるほど不安になってしまったのか。それは、車を運転する可能性が浮上したためである。
今から約4年前、大学に入学した私は「夏くらいには教習所通うか〜。」などと考えていた。変わらず、予定を立てることが苦手だったらしい。
結局、初めて教習所の門を潜ったのは3年生の秋。卒業したのは、4年生の夏だった。卒研を一発で合格できなかったら、再入学という、己のずさんな計画を呪うしかない状況だった。
無事に免許を獲得してからも、特に車を運転したいというモチベーションは湧かず、むしろ信号無視や、歩行者が渡ろうとしている横断歩道で停止しない車に苛立ちを覚えるような、道路交通法の鬼と化していた。
その厳しい目は当然自分にも向けられる。鬼が助手席で顔を覗かせる。
「事故を起こしたらどうしよう」
できれば、電車とかバスで行きたい。幸い三半規管は強い方らしく、乗り物酔いとは無縁のため、長距離の移動でも本を読んだりして過ごせる。
今度の目的地が電車で行ったとしても、そこからタクシーで20分かかるなんて場所じゃなければ絶対に車なんて使わないのに。

だが、「事故が起きたらどうしよう」という気持ちも、未来について考えることではないか。
今、どれだけ考えたところで、事故の発生の有無は確定できない。そもそも運転するとしたらレンタカーだ。保険にも入れる。社用の車を運転するよりもハードルが低いじゃないか。

よし。うん、まあ、うーん。まあね。今は決めなくてもね。まだ時間あるし。そうね、うん。できるだけ前向きにね。考えてみようかな。